60: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:11:06.52 ID:vaSvTruRo
「うん……おいしい」
何度か味を確かめながら含み、李衣菜は頷く。
61: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:11:37.56 ID:vaSvTruRo
「オレンジキュラソー…へぇ…」
李衣菜はグラスをじっと見つめ、呟く。
62: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:12:25.38 ID:vaSvTruRo
絞ったライムをそのままグラスに沈め、一口。
「うん、おいしい!今度は少しほろ苦くなった!」
63: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:13:56.49 ID:vaSvTruRo
そんな李衣菜を夏樹は穏やかな表情で見つめる。
口元に笑みを浮かべながら、ゆっくりカクテルを楽しむ。
64: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:14:29.72 ID:vaSvTruRo
「えーっと、シンデレラ……でしたっけ?」
李衣菜は私に向かい、首を傾けた。
65: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:15:26.50 ID:vaSvTruRo
そんな李衣菜を見て、夏樹はクスリと笑う。
「ああ、本当においしい。それぞれの尖ってる部分をお互いが補いあって、良いバランスになってる」
66: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:19:50.54 ID:vaSvTruRo
「シンデレラかぁ」
グラスを夏樹に返しながらも、李衣菜の瞳は、姫の名を冠する酒を追っていた。
67: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:20:58.98 ID:vaSvTruRo
グラスの結露で両手を濡らしながら、李衣菜は頷いた。
「そうだよね。なれないと思ってたら、なれないよね」
68: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:21:56.45 ID:vaSvTruRo
「ち、ちゃんと練習するもん!」
夏樹のからかいに、李衣菜はそっぽを向き、自分のグラスを飲み干した。
69: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:22:31.98 ID:vaSvTruRo
夏樹を見ると申し訳なさそうに手を挙げ、苦笑いをしている。
どうやら次の一杯で最後にした方が良さそうだ。
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