高垣楓「他愛のない話」
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21:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 10:13:14.72 ID:MaZC+zyvo

 「……え?」

 「このコ達ですよ」

頭の上を指差せば、ちょうど風がそよぎました。
頷くように、応えるように、葉擦れの音を夜へと響かせます。

 「誰に言われた訳でもなく、変わろうとして」

 「……まぁ、紅葉ですから」

 「ええ。みんなに負けないように、鮮やかに、赤く、赤く」

 「……」

 「楓だって、変わろうとするんです。楓も、負けていられません」

 「……紛らわしいですね」

 「そこで、楓豆知識のコーナーです」



 「…………えっ」

 「ぱちぱち」

 「……」

 「ぱちぱちー」

少しだけ間があってから、プロデューサーは手を叩き始めました。
ぱちぱち、ぱちぱち。
二人分の拍手が、地面へ落っこちるどんぐりのように鳴りました。


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