1:名無しNIPPER
2017/06/01(木) 23:38:41.64 ID:e7/Uid6j0
その日、珍しく郵便受けを覗いた。
理由はなんだったか。新しいCMの資料が届くとか、そんなことだったと思う。
今となってはそんなことはささいな話だ。積み重なったDMの中に、俺はそれを発見してしまった。
北沢志保……かつての担当アイドルからの結婚式の招待状ってやつを。
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2:名無しNIPPER
2017/06/01(木) 23:39:04.73 ID:e7/Uid6j0
「なんでお前振袖なの」
披露宴参加者用の控え室を探しながら、隣を歩く妻に何気なく尋ねる。
鮮やかに結い上げた茶色の髪に、黒の振袖が恐ろしく似合う俺の妻。
彼女の名前は所恵美。
3:名無しNIPPER
2017/06/01(木) 23:39:36.73 ID:e7/Uid6j0
「式場でなにやってるんですか。2人とも」
俺が恵美を弄っていると、背中からふいにそんな咎めの言葉を投げかけられた。
2人して振り返る。そこにいたのは。
4:名無しNIPPER
2017/06/01(木) 23:40:16.01 ID:e7/Uid6j0
「いやー……これは無理。勝てないね
志保、あんた……綺麗になったねえ……」
鼻声になる恵美にハンカチをそっと渡す。
志保はこんなに美人になったのに、こいつの涙腺の脆さは変わらない。それが、恵美の美点でもあるんだけどな。
5:名無しNIPPER
2017/06/01(木) 23:42:48.64 ID:e7/Uid6j0
志保の案内で控え室に着いた俺達。
飲み物を買ってくると恵美に伝えた俺は、先程目星を付けていた喫煙室にやって来ていた。
昔から、考えを纏めるのにタバコは欠かせなかった。
最近は本数を減らすようにしているが、今回は状況が状況だ。
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