42: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:21:12.30 ID:YGx2z1ew0
と、ここまで考えたところでわたしの筆は止まってしまいました
何も…… 思い浮かばないのです
劇場の皆さまと交換日記、そしてこの内容は仕掛け人さまも見るとのこと
43: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:22:00.24 ID:YGx2z1ew0
最近、劇場の皆さまと経験した面白い話を書きましょうか
いいえ、それでは電子日記とあまり変わりません 日記というものはもっと特別なものであるべきなのです
それならば初夏の美しさ、青々とした翠を想起させるような名文を書きましょうか
44: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:22:38.46 ID:YGx2z1ew0
うぅん……
日記とは自らの内面を露にするもの、それが書けないのは、わたしの中には何も存在していないからなのでしょうか
前に出るのではなく常に控えめであること、それが大和撫子だと思っていました
45: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:23:12.92 ID:YGx2z1ew0
「エミリーちゃん どうしたんですか?」
「星梨花さん……」
「机の前でずっと固まっていて…… 学校の勉強ですか?」
46: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:23:53.12 ID:YGx2z1ew0
「『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』です、自己同一性を他の方に訪ねるのは如何なものかと思いますが、教えていただけませんか?」
「うーん…… わたしの思うエミリーちゃんらしいところは……」
「難しい言葉を使いながら話していることだと思います」
47: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:24:30.75 ID:YGx2z1ew0
「後は、エミリーちゃんは着物がとっても似合います」
「わたしは普段着物なんて着ないし、しっかり着こなせてるエミリーちゃんはとっても綺麗ですよ」
「わたしは何をしても『可愛い』しか言われなくて…… だからたまにエミリーちゃんのことが羨ましいって思います!」
48: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:25:14.83 ID:YGx2z1ew0
「そう言えば、結局エミリーちゃんはどうして悩んでいたんですか?」
「えっと……」
交換日記のことを話してしまうのは行儀違反だと思いますが、ここまで話を聞いてくれた星梨花さんに何も教えないのも悪いですし……
49: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:25:50.67 ID:YGx2z1ew0
「交換日記、ですか……」
「はい、それで書くことに悩んで…… 書けないのはわたしが魅力の無い人間だからだと思って……」
「うーん…… 確かに、交換日記っていざ書くとなると、書くことに悩んじゃいますよね」
50: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:26:21.66 ID:YGx2z1ew0
「そうだ、エミリーちゃんの目指している理想の『大和撫子』を書いたらどうですか?」
「理想の?」
「はい、エミリーちゃんがどうなりたいか それを知ってもらえたらきっと皆さんともっと仲良くなれるって思いますよ!」
51: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:27:18.28 ID:YGx2z1ew0
6月4日 エミリー スチュアート
皆さまこんばんは、エミリー スチュアートです
52: ◆drvGSnEVts[saga]
2017/06/04(日) 21:27:49.38 ID:YGx2z1ew0
それから少しして、お父様のお仕事の都合で日本へ移り住むことになりました
当時の、いえ今でもですが わたしにとって日本は憧れの国でした
わたしが思い描いていた日本とは、皆が黒髪で和装を好み四季の営みを大切にする人々の暮らす国
85Res/45.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20