美玲「To give you」ありす「Answer」
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◆S6NKsUHavA
[saga]
2017/05/30(火) 23:52:26.37 ID:McTk8PE80
「はじめまして、だな! ウチは早坂美玲だ! よろしくなッ!」
「は、はじめまして、早坂さん。橘ありすです。よろしくおねがいします……?」
勢いに押されて挨拶したものの、彼女が唐突に来た理由が分からず語尾が曖昧になるありす。頭の中を検索し、彼女の情報を引っ張り出す。確か、インディヴィジュアルズというユニットのリーダーをしている個性派アイドルだ。パンキッシュな衣装に爪や角といった獣のような装飾を施したスタイルは唯一無二で、初のライブでも『嵐がやってきた』と評されるほど話題になっていた。
そんな彼女が、何故ここに?
「ウチのことはミレイって呼び捨てで良いぞ! ウチも、アリスって呼んで良いか?」
「……!! 私のことは、橘と呼んで下さい。それなら呼び捨てで構いません」
美玲の言葉に、ありすの表情が僅かに険しくなる。そんな彼女を見て、美玲はわざとらしく首を傾げていった。
「どうしてだ? ウチ、アリスって名前、カッコ良くて好きだぞ?」
「好……私は、自分の名前があまり好きではありません。ですから、橘でお願いします」
そう言って頭を下げるありす。美玲はそれを聞いてうーんと唸ると、しばらくしてから、まるで今の会話には不釣り合いな、挑みかかるような笑顔で言った。
「ふーん、やっぱりシューコの言った通りなんだな。アリスも自分と向き合うのが苦手なんだ」
「……っ!! 何故今初めて会ったような人にそんなこと言われないといけないんですか!? 失礼です。私はちゃんと自分と向き合ってます!」
憤慨するありすに、隣で聞いていた小梅と心も若干心配そうな顔をする。そんな二人を気にもせず、美玲はそのままの調子で続けた。
「いーや、向き合えてないッ! だったら、なんで本当の名前で歌わないんだ?」
「本当の名前? 私はちゃんと……」
「クール・タチバナ」
「!!」
美玲の出した言葉に、ありすの頬がさっと紅潮する。それは以前、彼女が自ら名乗った二つ名のようなモノだ。よりクールな自分になるための意気込みを表現したつもりだったが、改めて他人からそう呼ばれると、ありすはむず痒い感じを抑えきれなかった。
彼女の内面を知ってか知らずか、美玲は更に続ける。
「ウチ、ここに来る前にアリスのPVとかライブ映像とか、あるだけ全部見てきたんだ。どれもカッコ良かったぞ。でも、ちょっと違和感もあったんだ」
「な、なんですか、違和感って」
「最初のデビュー曲以外、ずっと背伸びしてる感じがするんだ」
ウチもその表現があってるかどうか分からないけど、と付け足し、美玲はありすの反応を待った。ありすはグッと唇を噛みながらも、すぐに反論する。
「与えられた曲に相応しくなるよう努力した結果です。成長と言ってください」
「別に成長を否定してるわけじゃないぞッ。でも、何かスッキリしないんだ」
「何かって、そんな曖昧な事……」
更に反論しようとしたありすの前に、美玲はびしっと右手の人差し指を突きつけた。いきなりのことに驚いて固まるありすを、先ほどまでとは違った美玲の真剣な瞳が捉える。
そして、美玲の言葉が、アリスの喉元に食らいついた。
「だから、タチバナアリス! 次の宮城公演、ウチと一緒に歌ってくれッ!!」
「え……えぇ!?」
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