美玲「To give you」ありす「Answer」
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◆S6NKsUHavA
[saga]
2017/05/30(火) 23:54:35.54 ID:McTk8PE80
「ウチは、アリスにコンプレックスを克服してくれとは言わない。ただ、ウチと……ウチやコウメと一緒にこの歌を歌って欲しい。そして歌ってるときだけでも良いから、ウチらのことを信じて欲しいんだ」
「信じるって……」
「ウチらは、アリスを子供っぽい名前だなんて思わない。カッコイイ名前だって思ってる。誰にも負けない、個性的な名前だ」
美玲の隣で、小梅もこくりと頷く。その表情に、欺瞞は一つも見られない。
「自分でそう思わなくても良い。でも、そう思ってるウチらを信じて欲しい。そして、ウチらと一緒に叫ぼう! アリスって名前の、こんなにカッコイイアイドルがいるんだって、証明してやるんだッ!!」
「……!!」
ざぁっと、一瞬視界が開けたように、ありすには感じられた。これまで誰かに、そんな風な肯定のされ方をしたことは無かった。自分の名前を好きになってみようと言われたことはある。他人からそんな風に言われても、そう簡単に変えられるものではないのに。自分の事じゃ無いから、簡単に言える。所詮それは、他人事だから。
でも、美玲はそうは言わなかった。自分の名前を好きだと思わなくても良いと言った。ただ、自分の名前を好きだと言ってくれる人を信じろと。
「ウチは自分と向き合う。でも、すぐには自分を変えられない。だから、ウチは臆病なウチを認めてくれるインディヴィジュアルズを、仲間達を信じる。それで、皆で限界を超えるんだ! 一匹狼じゃ超えられない壁も、信じ合った皆でなら超えられるッ!」
自分と向き合っても自分を変えられないなら、変えられない自分を認めてくれる誰かと共に歩めば良い。幸子や友紀のように絶対的な自信を持てなくても、『誰かの好きでいてくれる自分』を信じればいい。
ありすの目に、美玲の顔が映る。再び眼帯をつけ、自信に満ちたその表情が、彼女の背中を押した。
「……分かりました。その話、お受けします」
「本当かッ!? やったー!」
ありすの承諾に、美玲は飛び上がって喜んだ。隣にいる小梅も嬉しそうに手を叩き、側で見ていた心は何故か涙ぐんだ目をこすっている。
そんな彼女たちを見てほんの少し頬を緩めたありすだったが、すぐにギュッと表情を引き締めて鋭く言った。
「その前に、確認しておきたいことがあります」
「……?」
冷水を浴びせかけるようなピリッとした響きに、美玲の表情が僅かに曇る。隠れていない美玲の右目を正面から見据え、ありすは挑戦的に言った。
「その曲は、当然この『橘ありす』に相応しい、クールでカッコイイ曲ですね?」
言い切ってから、ちょっとだけ恥ずかしそうに頬を染めるありす。一瞬ぽかんと口を開けた美玲はすぐにニヤリと笑って言った。
「当然だッ!! ウチらと一緒に、『答え』を見つけに行くぞ、アリス!!」
「望むところです、美玲さん」
そして、再び嵐は巻き起こる。
(了)
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