2: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/05/30(火) 17:51:49.99 ID:Bv1bX58W0
「……馬鹿」
言って、彼女は雑誌を放り投げた。
そう、そうだ。彼女たちは随分と阿呆なことをしてくれた。
お陰で事務所は連日の取材申し込みとクレーム対応にパンクして、
今や普通に仕事することすら儘ならないような状況だ。
当分の間は自分たちも、アイドルではなく一介の少女として過ごすことになるだろう。
……さらに言えば、それだけで収まるとも思えない。
最悪の場合は、このまま潰れてしまう可能性だってある。
件の事件の舞台となった、馴染みの店が営業停止に追い込まれてしまったように。
そんな先の見えない不安の只中に放り出され、多くの仲間は困惑した。
ある者は心に消えぬ傷を負い、ある者はただ喪に服し、又ある者は付き合いきれぬと出て行った。
中には想い人の成した罪の深さに世を儚み、命を絶った者もいる。
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