【モバマス】てるてる坊主に赤いリボンを【百合注意】
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15: ◆ZDnQS3y4DE[sage]
2017/08/04(金) 21:46:25.10 ID:8ZLd+lv1O
まゆ「幸子ちゃん……まゆはあの時戻ったのは間違ってたんでしょうか?」

 朝通って来た道を戻る最中、彼女がボソッと呟きました。それをボクに聞きますか?

幸子「ボクはまゆさんが居なくなるのがいやでした。それだけです。」

 こんな月並みなことしか言えないボクに少し腹が立ちます。きっとまゆさんがほしい答はこんなものじゃないでしょう。ですが、彼女が欲する答を提供するのはボクとしても苦痛でした。

 どちらを答えても彼女の命の価値を否定する気がして……

 ですからボクは話をそらせて誤魔化します。

幸子「それに人間の身体ってけっこう頑丈にできてるんです。3階建てのビルの屋上じゃたぶん普通に生き残っちゃいますよ?」

まゆ「そ、それは幸子ちゃんだけでは?」

幸子「ボクなら無傷で降りられますよ、なんてったってカワイイんですから。」

 ……もちろんジョークですよ?さすがに準備無しで15メートルヒモなしバンジーは断ります。

幸子「もっとも五体満足ってわけにはいきませんから生き残っても一生寝たきりでしょうけどね。生きたまま忘れられるのは死んで忘れられるより辛いと思いますよ?」

 人間薄情なもので、ほんの少しだけグループから離れただけであっと言う間に忘れられてしまいます。
 人のが死ぬのに命の有無はあまり関係ないのかもしれません。

まゆ「生きたまま忘れられる……」

幸子「どうせなら死んだ後も覚えていてもらいたいものです。あんなところで命を使ってしまうのはもったいないじゃないですか。」

 まゆさんがうつむいて考えてるのにも気がつかず、ボクは勢いに任せて思いついたことを吐き出します。

幸子「どうせならもっと人目の多い大舞台がいいですね、それも運営上の事故って形だと悲壮感も増して印象に残りやすくなるかもしれません。」

幸子「例えば下のライブ会場にスカイダイビングで登場するはずがパラシュートが開かないとか

まゆ「幸子ちゃん!幸子ちゃん!!」

 前からまゆさんに肩を抑えられてはっと我に返りました。

ボクを抑えるまゆさんは青い顔をして怯えた目でボクを見つめます。

まゆ「幸子ちゃん……すごく怖い顔をしていましたよ?」

幸子「………冗談ですよ。」

 ボクとまゆさんはそのあと一切口を開くこともなくウチに着きました。


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