みほ「フリースタイルバトル?」
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4:名無しNIPPER[saga]
2017/05/29(月) 22:15:07.43 ID:dhZtfbkHo

理事長「……………………あの、ご用件は……」

役人「フリースタイルダンジョンというテレビ番組をご存知ですか?音にノリながらラップで言い合いをする、俗に言う『MCバトル』ですね」

理事長「え?あ、ええ。存じておりますが」

役人「それならば話は早い。今回ご足労いただきましたのはフリースタイルバトルについてなのです」

理事長「……は、はあ…………何故そのような話を私に?」

役人「私がある日、ふと何気なくテレビを付けた時に偶然あの番組が放送されていましてね。最初は内容もよくわからず流し見していたのですが……」

役人「スキルだけではなく生き様や駆け引き、音楽的センスなど諸々を含んだ彼らの熱いバトルにいつの間にか引き込まれ、そのバチバチなバイブスにアガってしまいましてね。今やレペゼン文部科学省学園館教育局ですよ」

理事長「は、はあ……なるほど。それは結構なことですな。しかし、何故私が呼ばれたので…」

役人「文部科学省学園館教育局に勤めるブラザーとチル(リラックス)してた時にフリースタイルの話になりまして、ブラザーから理事長のお名前が出たのですよ。なんでも、昔フリースタイルをかじっていたとか」

理事長「……!」

役人「フリースタイルと戦車道を秤にかけ、結果戦車道を選び現在に至る……確かKODAMAと名乗っておられましたか。いやはや、意外すぎて驚きましたよ」

理事長「……隠していたわけではないのですが」

役人「他にも調査をした結果、この国にはフリースタイルロード……通称FSRというものがあったというじゃありませんか。今では連盟は解体し、その名を聞くことすらありませんが」

理事長「剣道や戦車道のように健全な精神を培う目的意識をもった競技ではありませんから……あ、いえ、この言い方では語弊がありますな。フリースタイルを勉強の枠内に入れることがナンセンスという意味です」

役人「わかります。ラップの基礎を講師に教わるのが悪いとは言わないものの、誰かに習うよりも自分自身や仲間と向き合いながらラップをしていく方が自然、ということでしょう?」

理事長「はい。クローズアップされるのは喜ばしいことですが、どん底から這い上がるようなハングリー精神に満ちた匂いが消えてしまうのはHIPHOPの良さを薄めてしまいかねません」

役人「その気持ちもわかります。しかし!」

理事長「?」

役人「……その考えが、すでに前時代的だと私は思います」

理事長「え?」

役人「フリースタイルバトルをあの番組による一時のブームで終わらせないためにも、ラップをする環境を設ける必要があるとは思いませんか?」

理事長「それは……」

役人「人の顔色を窺い、空気を読むことが重視される昨今、フリースタイルバトルで相手のコアをディスし合える環境があるということが重要です」

理事長(さっきから口調にちょくちょくスラングが混じっている……堅い人だと思っていたがずいぶん染まったものだ)

役人「場所さえ用意すれば、人は十人十色。それぞれが個性をビートに乗せてラップして熱いバトルを繰り広げてくれるでしょう」ウンウン

理事長「確かに。しかしHIPHOPは別に路上の片隅でもどこでも人間さえいればできるものでして、わざわざ第三者が場所を提供…」

役人「うぇいよー!」

理事長「っ!」ビクン!

役人「細かい話はやめにしましょう……今から通達するのは確定事項ですのでよく聞いてください」

理事長「え?あのしかし……」

役人「うぇいよー!よく聞いてください」

理事長「…………はい」

理事長(うぇいよーで誤魔化されてしまった……)



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