【ガルパン】大洗女子学園 農業科生徒による もう一つの戦い
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144: ◆OBrG.Nd2vU
2017/05/28(日) 16:00:08.18 ID:PK4z7V+n0


「クロ先輩! ブラウンさん!」


私は、非常階段を降りて自家用車用の乗艦ゲートがある一室に到着するなり、二人を大きな声で呼んだ。

もう泣く準備万端の私であった。


「戦車道チームのコたちが勝ったって……! 私達…! わたじだぢ……勝っ」

「ジャー子! 足出てきた!! 牛舎から消毒液とバケツ持って来て! ブラウンさんは寝ワラ!」


最後まで言わせてくれなかったのは、産気づいた母牛の様子をうかがうクロ先輩だった。

例の分娩予定がずれ込んだ乾乳牛のお産が、いまピークを迎えようとしていた。

ブラウンさんが私と入れ替わりで非常階段を登っていく。



文科省の男と、汚水処理業者はどうしているのかというと、ちょっと離れたところでオロオロしていた。

お産に臨む母牛の異様なオーラと、お産介助モードに入ったクロ先輩の鬼気迫った空気感に、どうしたらいいのか分からないらしい。


私は、クロ先輩とブラウンさんに再会して抱いて泣き合って喜ぶ……ところを今の今まで夢想していたのだが、

酪農班の人間にとって、牛のお産は最優先の対処事項だ。


「ええぇぇぇぇ〜〜〜…………?」


喉元まで出かかったキラキラ感動的な何かを強引に押し戻して、私はまた非常階段を登り始めた。







翌日、学園長室に呼ばれ、家畜を逃がすというミスを(自ら)やらかした私達に待っていたのは、

昇降ゲートがある一室の大洗浄と、向こう2カ月間の連続休日当番という死の宣告だった。



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