モバP「アイドルはいいぞ!」桐野アヤ「ああ?」
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1: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 13:57:29.97 ID:IKvcL+ZkO
ランニングしてたらアイドルになった。
突拍子もない言い方だけど、アタシがどうしてアイドルになったのか、思い返せばそういうことだ。
「君、そういうの好きなのか?」
「ん?」
通りがかった家電屋さんの表のテレビで、アタシの好きなボクシングの試合をやってて。足を止めて観ているところだった。
ランニングで火照った体のまま試合に熱中していたアタシは、急に男の人に声をかけられたことに驚くより、そうそうアタシ格闘技好きなんだっいい試合だよな!アンタも好きかっ?くらいに思って、実際、そんな風に返した。
「ああ!アンタも好きなのか?」
「そっか。うん。好きだよ」
「そっか。へへ」
そのまま、こっちの選手は前の試合のケガに苦労してるみたいでさー、アタシは応援してるんだけどアンタはどっちを応援してるんだ?なんて続けようと、いや実際続けたのか、よく覚えていないけど、その男が、アタシの顔を見て頷いてから、こう言ったのはよく覚えてる。
「じゃあ、君もなってみないか。アイドル」
「は?」
しばらく固まったあと、アタシが観ていたテレビの横の、別のテレビから、アイドルの甘い歌声が耳に入った。
「アイドルはいいぞ」
「……。……、は、ああ?アイドル!?」
こうしてアタシはアイドルになってしまったのである。
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2: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:00:20.03 ID:IKvcL+ZkO
・・・・・
桐野アヤ「ただいまー」
P「行ってきました」
3: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:03:22.17 ID:IKvcL+ZkO
南条光「とうっ。アヤさん、あなたから困っている音がするぞ!」ババーン
アヤ「どんな音だそれ」
光「大丈夫だっここにヒーローがいる!困っているなら、いつでもアタシを呼んでくれ!」
4: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:05:13.66 ID:IKvcL+ZkO
P「衣装が可愛すぎて、それに見合った、可愛い台詞とか、振る舞いとかできないって」
ちひろ「そうなんですか?」
アヤ「また破いたのか、光。今度はなにしたんだ?」
5: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:07:27.61 ID:IKvcL+ZkO
P「アヤはちょっと考えすぎるところがある気がします」
ちひろ「ええ」
槙原志保「お疲れさまです、アヤちゃん。はいっ」
6: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:09:33.71 ID:IKvcL+ZkO
忍「けぷ」
忍「大丈夫。最近は志保さんにいろいろ甘いものをもらうことも計算して、間食の量、調整してるから」
アヤ「お、おお……。さすがだな」
7: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:12:27.35 ID:IKvcL+ZkO
アヤ「いや、ほら、なあ。忍はアイドルに真剣で、真面目で、さすがだなあってなあ……」
忍「いや、別に……それはまあ真剣だけど」
忍「アヤさんだって、真剣でしょ?」
8: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:14:53.81 ID:IKvcL+ZkO
アヤ「そうそう、そういうところなんだよ……」
忍「ん?」
アヤ「教えてくれ。忍。アタシはどうしたらもっと可愛らしい、アイドルらしいアイドルになれるんだ」
9: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:17:06.82 ID:IKvcL+ZkO
・・・・・
アヤ「…………」
P「お疲れ様」
10: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:19:42.78 ID:IKvcL+ZkO
アヤ(あー……みんなすごいな。かわいいぜ。アイドルしてるぜ)
アヤ(それに比べてアタシは)ハァ
P「おーい。表情。また固くなってる」
11: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:21:29.41 ID:IKvcL+ZkO
アヤ(光たちみたいに、可愛くって?)
アヤ「どうせアタシはそんな風じゃないって……」ボソ
12: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:24:35.02 ID:IKvcL+ZkO
忍「ふう」
光「お疲れさまっ。大盛り上がりだな!」
海「だね。ファンのみんなの熱気がすごくて、楽しいし、まだまだバテてられないなー」
13: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:26:52.21 ID:IKvcL+ZkO
海「アヤのことはプロデューサーに任せておけば大丈夫だね。きっと」
忍「うん」
忍「アタシたちがやるべきことは、目の前のファンのみんなに向き合うこと、だね」
14: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:28:43.17 ID:IKvcL+ZkO
海「もう一人の最年長は、最高に可愛いから、みんなに可愛がられる枠であってリーダーではないってね」
忍「……」
忍「ふふ。そうだね」
15: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:30:37.49 ID:IKvcL+ZkO
・・・・・
アヤ「…………」トボトボ
アヤ「はあ」
16: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:32:36.36 ID:IKvcL+ZkO
アヤ「プロデューサー」
P「そういえば、初めて会ったときも、こういう家電屋さんの前だったな」
アヤ「……ああ」
17: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:35:25.74 ID:IKvcL+ZkO
アヤ「知って……か、カマかけたのか」
P「うん」
アヤ「な、なんで」
18: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:37:45.33 ID:IKvcL+ZkO
P「初めて会ったときにも言ったろ」
アヤ「……覚えてない」
P「ひどいな」
19: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:39:26.06 ID:IKvcL+ZkO
アヤ「……そうだよ」ハァ
P「ん?」
アヤ「アタシは、あいつらみたいに可愛くないし。今日だってなんのつもりか知らねーけど」
20: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:41:04.97 ID:IKvcL+ZkO
P「光も海も、志保も、忍も、みんな」
P「別にアイドルをやってるんじゃない。知らないのか?自分の好きなことを、最高に楽しくしていれば、女の子はみんなアイドルなんだ」
アヤ「…………」
21: ◆/2YZffw1UE[saga]
2017/05/28(日) 14:44:03.69 ID:IKvcL+ZkO
アヤ「……あーもーどっちでもいいや」
P「そうそう」
アヤ「……なんだよぅ」ハァ
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