575:名無しNIPPER[saga]
2017/09/23(土) 21:39:49.83 ID:LELbxQRDO
老人「……何が言いたい」
王女「あなたは強烈な自我を得た。そうなった今でも元に戻ることが出来ると思いますか?」
老人「我に出来ぬことなど無い。どうあろうと結果は変わらぬ。あの時と同じように鴉は死ぬ」
老人「ただ一つ違うとすれば、此度は貴様も死ぬということだ。望みを叶えられぬまま消え去るがいい」
王女「あの時とは何もかもが違いますよ。あなたもわたしも、辿る結末も……そして、彼も……」
老人「……欠片を渡したな」
王女「ええ」
老人「奴を鴉に仕立ててどうする? 再び我と戦わせる気か? それで何が変わる?」
王女「何もかも。わたしの選択すらも」
老人「愛する男に尻拭いをさせる気か? 醜悪な神もいたものだな。貴様のような女に愛された鴉が不憫でならん」
王女「……否定はしません。ですが、あなたには消えてもらいます。次こそは、世の為に……」
老人「戯言を抜かすな。鴉は彼の地に在り、輪転器と共に此処へ来るが定め。何も変えられはしない」
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