18: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/05/28(日) 00:18:57.22 ID:Rwhrm4/q0
見渡す限りの砂に囲まれた怪獣は、海を求めて歩き出した。
果てしない距離を一匹で。心が折れてしまいそうになる度に、自分の足跡を振り返り、決心を固めたのだろう。
そうして行きついた海は、しかし怪獣の帰るべき場所なのだろうか。
彼女の場合でいうと、帰り着く場所は、この事務所ではなかった。
たとえ彼女がなんと言おうと、彼女の帰るべき場所は彼女の家以外のどこでもなかった。
いつかきっと、彼女自身が胸を張ってそう言える日がくるまで、おれは責任をもって彼女を預かると決めた。
彼女はアイドルになることで自分の行き先を得た。加えて、自分の帰り着く場所を確認した。
だが、怪獣にはそれがわかるのだろうか。
すべては自分の想像でしかないのだけど。
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