市原仁奈「かいじゅうの気持ちになるですよ」
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11: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/05/28(日) 00:10:04.91 ID:Rwhrm4/q0
 描写こそなけれ、怪獣は恐らく一匹だったのだろう。誰と話すことも、喧嘩することさえできず。

 明けては暮れる太陽を眺めながら、気の遠くなるような時間を孤独に過ごしたのだろう。


 きっとキャラバンの鈴の音は、単なる引き金でしかなかったのかもしれない。

 グラスの縁ぎりぎりまで満たされていた感情が、その一滴によって際限なく零れてしまっただけで、本当はずっと前から孤独に潰されかけていたのかもしれない。


 怪獣にも、たしかに心はあるのだから。

 それが知らず、彼女の心の奥底に響いたのかもしれない。


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