1: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:37:17.96 ID:MI9gASQm0
P「盛況ですね。ディナーショー」
礼子「こういうお仕事は好きよ。パーティーの雰囲気が、私には合っているわ」
P「本当はもっとライブ的な営業も入れたいんですが、これだけ盛り上がると嬉しいですね」
礼子「私の喜びは、貴方の喜び……というわけかしら? P君」
P「俺の喜びは、貴女の成功ですよ。礼子さん。アイドルとして輝く貴女を、俺が支えている……その手応えですね」
礼子「ふふっ。ところで……一番前のテーブル席、子供が座ってるわよね」
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2: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:40:16.70 ID:MI9gASQm0
P「ああ。あの子ですか。どうやら、大口食品の御曹司らしいです」
礼子「大口って、あの業界大手の? じゃああの子の隣にいるのが……」
P「大口社ち……いや、今は会長か。ま、相手がどこの誰でも、礼子さんは気にしないでしょうけど」
3: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:40:58.94 ID:MI9gASQm0
P「とても熱心に、礼子さんを観てましたよ」
礼子「そう。……嬉しいわ。子供の純真な目から見ても、私が魅力的に映るなら光栄だわ」
P「さ、じゃあ礼子さん。最後の出番ですよ。よろしく」
4: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:41:30.77 ID:MI9gASQm0
高橋礼子(31)
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5: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:43:58.16 ID:MI9gASQm0
礼子「〜♪ ふう。皆様、今夜はどうもありがとうございます。私も、皆様の歓声で体がアツくなってきたわよ。ふふっ。あら?」
少年「あ、あの。こ、これ……」
礼子「あら、お花? ふふっ、ありがとうね」
6: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:45:22.94 ID:MI9gASQm0
――翌日 事務所――
若林智香「た、たたた、大変ですよ礼子さんっ!」
7: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:46:23.04 ID:MI9gASQm0
礼子「なにが、って。別に……いいショーだったわよ」
ちひろ「そのショーに、子供が来ていませんでしたか?」
礼子「? 来てたわよ。可愛いボクが」
8: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:47:19.87 ID:MI9gASQm0
礼子「え? あれ? あなたは……」
子供「ボクは礼子さんのプロデューサーだぞ!」
礼子「え?」
9: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:47:52.38 ID:MI9gASQm0
若林智香(17)
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10: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:48:51.98 ID:MI9gASQm0
礼子「なにがいったいどうなってるの!?」
ちひろ「それが……今朝一番に大口食品から電話があって、あの子にここでプロデューサーみたいなことをさせて欲しい、って」
礼子「プロデューサーみたいな、って……子供にできるわけないじゃないの」
11: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:51:06.99 ID:MI9gASQm0
ちひろ「その後で『抱擁だけで男の子を1人トリコにするとは、流石は礼子さんだ』っておっしゃって……」
礼子「まあ、それは……」
智香「これもファンサービスの一環だと思って、がんばってくれ……って」
12: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:53:01.49 ID:MI9gASQm0
ちひろ「何か問題が発生したら、呼ばれればすぐに助けに行く、とも」
礼子「要はほったらかされたわけね! なによ……子供とはいえ、他の男に私がプロデュースされてもいいのかしら……P君は……」
智香「え?」
13: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:56:23.40 ID:MI9gASQm0
〜レッスン場〜
礼子「それで? 今日はどんなレッスンをするのかしら?」
子供「レッスン?」
14: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:58:14.55 ID:MI9gASQm0
双葉杏「ねえ、あの子。杏のプロデューサーやってくれないかな」
ちひろ「杏ちゃん? 杏ちゃんは、ちゃんとレッスン受けてくださいね」
礼子「れ、レッスンしないでいいなんて……どうするのよP君……!」
15: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 20:59:30.84 ID:MI9gASQm0
〜ブーブーエス〜
礼子「これから歌番組の収録だけど……大丈夫なの?」
16: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 21:00:31.07 ID:MI9gASQm0
〜事務所〜
ちひろ「お疲れさまでした礼子さん……って、本当にお疲れみたいですね」
17: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 21:01:28.11 ID:MI9gASQm0
ちひろ「……プロデューサーさん、礼子さんには特に献身的ですから」
礼子「……思い知ったわよ。いかに今まで甘えていたか」
ちひろ「あら。でもプロデューサーさんはいつだって、少しも嫌そうじゃありませんよ? むしろ……」
18: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 21:01:55.98 ID:MI9gASQm0
礼子「もう。笑い事じゃないわよ……」
子供「おかあさん……」ギュッ
礼子「……え?」
19: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 21:02:44.38 ID:MI9gASQm0
〜事務所 屋上〜
P「こんな所にいたんですか、礼子さん。寒くないですか?」
20: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 21:04:14.09 ID:MI9gASQm0
礼子「……いつも、ありがとう」
P「……大変だと思ったことは、一度もありませんよ」
礼子「でも、ありがとう」
21: ◆hhWakiPNok[saga]
2017/05/25(木) 21:05:50.24 ID:MI9gASQm0
P「アイツ……いや、あの子は礼子さんを自分だけのものにしろとは言ってこなかった。あの子は、自分を俺の代わりにプロデューサーにしろと言ってきた」
礼子「そうだったわね」
P「俺の礼子さんを、俺の仕事を、認めてもらえた気かしましたよ。あの子は、礼子さんの『プロデューサー』にならせろと言ってきた。そして、俺を邪魔だと言ってきた。……嬉しかったですね」
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