28:名無しNIPPER[saga]
2017/05/25(木) 23:16:04.70 ID:tmRaDgX60
それから数分して、終点を知らせるアナウンスに押されて、駅のホームに降り立った。
二人でキョロキョロと改札を探し、いったん外に向かった。
「なんだか、沼津とそう変わりはないのね」
梨子ちゃんが走っていくバスを目で追いかける。
「そうだね」
駅前なんてこの辺の田舎なら、どこも似たようなものかもしれない。
松崎行きのバスの時刻表を確認。スマホで調べたのと変わらない。
「さーて、何食べよっか梨子ちゃん……お、生そば、丼、カレー、うどんだって。ザ、駅前って感じがする」
目の前の建物にぶら下がっている看板を読み上げる。
「曜ちゃんの食べたいもので。付き合ってもらってるし」
「じゃあ……」
と、目移りさせる。嗅ぎ慣れぬ匂い。知らない土地。
目の前を二人連れの男女が横切っていく。なんだか、私達、デートしているみたい。
「……いいのかな」
「いいに決まってるじゃない」
しまった。声に出てたみたい。
梨子ちゃんは特に気にしてはいなかった。
これは、予行演習なんだから、私が後ろめたい気もちになる必要はなし。なしだ。そうだよね。
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