13:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 23:54:58.13 ID:tRZUKNjf0
二人の役に立てればいいか。
この寂しさも、いつか薄らぐと思う。
「それで、日曜は千歌ちゃんに誘われてちょっと遠出するの」
持ち上がった気持ちが、すぐに叩きつけられた。
実質デートってこと。何がそんなにショックなのか、自分でも分からない。
「それで、その前に、曜ちゃんちょっと一緒に下見に言って欲しいの」
「下見、うん、いいけど……する必要ある?」
「だって、何か面白い物見つけておきたいし。それに、千歌ちゃんの話し聞くのに、地元はね、ちょっと」
「確かに、誰かに聞かれて、というか、むしろ千歌ちゃんの耳に入ったら、ややこしい」
「でしょ」
「よーし、じゃあ、先に私とデートだね」
「ええ、やった」
「やったって、喜んじゃダメだよー」
梨子ちゃん、小悪魔だ。
これは、千歌ちゃん、先が思いやられるよ。
「曜ちゃんと二人で出かけることってないじゃない。いつも、練習か部活だったし」
「そう言えば」
「私も、千歌ちゃんから聞かされた曜ちゃんの話し、たくさんあるから。それ、楽しみにしててね」
「い、いいよ、恥ずかしいし」
「でも、それ聞いて、私は曜ちゃんのことちゃんと見るようになったから」
「どういうこと?」
「……最初は……ううん、秘密。下見の時のお楽しみ」
「ほほう、やりますな」
「じゃあ、よろしくね。ちゃんと、犬がいないか調べないといけないの」
「それか……」
私は下見の意味を理解した。
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