梨子「曜ちゃん、怒らないで聞いてね」
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110:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 18:37:39.56 ID:wAEe1nHVO
後輩ちゃんの家にたどり着いた頃には、辺りは薄暗くなっていた。
家屋や路に灯りが灯っているのに、その家だけは留守のように電気がついていなかった。

「え、ほんとにここ?」

私は疑問を口にする。

「の、はずなんだけど」

千歌ちゃんと表札を確認するけど、どこにもついていない。
誰が住んでいるか分からないけれど、住所は間違いなくここだった。

「行こう、梨子ちゃん!」

千歌ちゃんが先頭を切る。私は胸を抑えながら、それに続いた。
玄関にインターホンもないので、引き戸の扉に手をかけた。カラカラとすぐに開いた。
カギはかかっていないようだ。

「こんばんわー。誰か、いませんかー?」

「こんばんわ」

二人で大声を出すも、返事はない。
もしかしたら、本当にいないか、外に出かけているのかもしれない。


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