森久保乃々「ええっ。もりくぼ以外、もりくぼじゃないんですけど」
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32: ◆t6XRmXGL7/QM[saga]
2017/06/12(月) 23:18:37.35 ID:Slcx/zS50
翌朝。なんだか夢でうなされていたような気がします。まぁ、どんな夢だったか覚えてなんていないですけど……
ともかく、寝起きの時点でも昨日の課題自体はなんともなっていないことだけは確かで、その事実がまだもりくぼを締め付けていたのでした。
どんな嫌なことでも、寝れば解決するなんて誰かさんは言います……いや、そんなの無理なんですけど……
朝の支度を終えて、今日は朝から事務所へ向かいます。本格的なお仕事は午後からです。
今日は開校記念日とやらで休日ですから、学校がありません。

事務所への道すがら、満員に近い電車の中で、森久保は小さく縮こまりながら、昨日の帰りの時みたいに顔をずっと伏せていました。
『人と目を合わせること』……『人と目を合わせる』……
うぅ、無理……
帽子を目深に被って、森久保はじっ、と周りを見ないようにしていました。
そういう風に周りの目を避けている自分が、問題解決の遠さを示しているようで、また胸が苦しくなりました。

事務所の最寄の近くの、多くの線が乗り入れている駅に止まったとき、
電車から降りる人の波に流され、また乗ってくる人の波に流され、もりくぼはハチャメチャにされていました。
その時でした。

帽子を、落としてしまいました。

もりくぼは頭が真っ白になりました。


誰かが「アッ」といったように聞こえて、もうだめだ。


そう思ったら、何かがふつっと切れるような感覚がして、森久保の記憶はそこで途切れたのでした。


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