288: ◆PChhdNeYjM[saga]
2017/06/15(木) 23:11:42.47 ID:r9yqUWKuO
「……なんて、ね。バカみたいだ、俺」
「意識のない君に言っても、届くはずないのにね」
その時だった。
一瞬……ほんの一瞬のことだ。
指先が、微かに動いた気がしたのだ。
「……女さん?」
「……ぅ……ぃ……ち……ど」
長いまつ毛が、揺れ始める。
「……もぅ……ぃ……ちど……」
ゆっくりと……その瞼が、開いた。
「もう一度……言ってくれますか?」
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