210: ◆PChhdNeYjM[saga]
2017/05/31(水) 20:51:51.08 ID:Y/3U6XvCO
どれくらいの時間、そうしていただろうか。
ふと、右腕を見る。
時計の秒針は0時を通り過ぎ、無機質に時を刻んでいた。
男「……帰ろう」
誰に言うでもなく、ただそう呟いた。
立ち上がった時初めて、目の前に誰かが経っていることに気が付いた。
男「……女さん?」
言ってから、それはあり得ないと気が付いた。
女さんが、こんな時間に、あんな別れ方をした俺に会いに来るわけがないというのも勿論だが。
何より……その影は、明らかに女さんではなかった。
少し広い肩幅や、俺よりも高い背丈。
女さんの華奢な身体とは、似ても似つかない。
ならばなぜ、俺は彼の事を女さんだと思ったのだろう。
多分……雰囲気が、女さんのそれに似ていたからだ。
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