26:名無しNIPPER[saga]
2017/06/11(日) 19:03:18.57 ID:0B6uKpBO0
「(……まだかな)」
長く感じた。
1分間とっくに経っている。
「(合図とかないのか?)」
薄目を開けてみた。
前の席の生徒が、消滅していた。
目をはっきりと開けた。
「う、うそだろ」
見渡すと、教室中の人間が、誰もいなくなっていた。
「な、なんだよこれ!みんな神隠しに遭ったっていうのかよ!」
「俺以外、みんな……」
「どうして、俺だけ残されてるんだ?」
「もしかして、俺だけ、神隠しに遭ってしまったのか?」
動揺した。
心臓が激しくなった。
「い、いたづらとかじゃねーのか。クラスのやつらが仕組んだとか」
「不謹慎過ぎるだろ。おい、誰かいねーのかよ」
廊下に出て歩いてみるが、他の教室にも生徒はいなかった。
「誰か、いねーのかよ!!」
キーン、という音が鳴った。
『校庭にドラゴンが出現しました』
放送スピーカーから声が聞こえた。
『戦闘態勢を整え次第至急校庭に向かって下さい』
懐かしい声だった。
「まきな!!」
1年前のこの日、神隠しに遭った竜神まきなの声だった。
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