城ヶ崎美嘉「お姉ちゃんを目指して」
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173: ◆mqlRkew9nI/5[saga]
2017/08/16(水) 14:09:05.57 ID:WuP1kltU0

あまりにもテキトーな指示だらけだったので、アタシは声を張り上げて問いかける。


美嘉「ちょっとちょっとー? 指示が全員バラバラっておかしいよー? ていうか、上って何ー?」


今の指示で、どうやってスイカの位置を割り出せばいいのだろうか。


「ふふっ、美嘉ちゃん、正しい指示だけじゃつまらないでしょう? さて、真実を言っているのは誰でしょうか?」


今の声は……なるほど、合点がいった。
あの人が、あの子たちに余計なことを吹き込んだのだ。


「斜め左です!」

「まっすぐだよー!」

「右ですわ、右!」

「下でごぜーますよっ!」


変わらずのバラバラな指示。
下は無いにしても、誰の言葉が正しいかなんて、分かるわけが―――待てよ?

唐突にアタシは閃いた。まさかとは思うけど……あの人ならあり得る。

さっきの声から位置を推測するに――――――。


美嘉「そこぉっ!」


スイカがあると思われる位置に、アタシは手にした棒を振り下ろした。


《―――パキャッ!》


―――手ごたえ、あり。

目隠しを取って確認すると、上手いことスイカが割れている。

そして、割った時に飛び散ったのであろう赤い飛沫が―――彼女の体に浴びせられていた。


美嘉「ねえ、ちひろさん。スイカを自分の手に持ってるのは、ずるいと思うんだけどな★」

ちひろ「……それを看破した美嘉ちゃんは、いったい何者なんですか?」


赤い果汁を一身に浴びたちひろさんは、驚愕に目を見開いていた。




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