33: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/08(月) 23:03:19.09 ID:Z9goZ7tp0
その男の容姿を一言で言い表すなら、“南部戦線帰りのシャーロック=ホームズ”だろうか。
オールバックでまとまった黒髪に、細く鋭い眼光。肌はたたき上げの軍人らしく日に焼け、幾つもの小さな傷が刻まれている。
6フィートと少しの長身は一見すると細く頼りないが、軍服の下に鋼のような鍛え抜かれた筋肉が眠っていることが覗えた。
特に目につくのは鼻で、お伽話に出てくる魔女の顔にうってつけなほど見事な鉤鼻である。
足を組んで机に座るその男の姿を見て、ミルナは思わず襟を正す。
出世という物に興味が無く軍上層部の人物相関に疎いミルナでも、その男のことは知っていた。否、ドイツに住まう人間ならば、“知っていなければいけない”人物だ。
(`∠´)「初めましてミルナ=コンツィ中尉。ベル=ラインフェルトだ」
(?゚д゚?)「存じ上げています、ラインフェルト大佐。お目にかかれて光栄です」
差し出された手を握り返すとき、震えが走らないようにするのに苦労した。
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