328: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/06/09(金) 00:57:02.22 ID:89CTCDsC0
側面と正面の2方向から攻撃に晒される敵艦隊は、一方への反撃を計れば他方からの集中砲火でそれを妨害され今や反撃さえままならない状態となっている。
ただでさえ至近距離のところを更に肉薄し、背後から飛ぶ味方の射線にすら身を晒す形で実行した“釣り”。目の前をうろちょろと鬱陶しく動き回る俺達を潰すことに夢中になり、敵艦隊は側面への警戒を完全に怠った上ツン達正面戦車隊への攻撃すらろくに行えていない。
命懸けの餌役は無事狙い通りの釣果に繋がってくれた。もう一度やれと言われても死んでもゴメンだが。
(=#゚ω゚)ノ《前線衝撃に備えるよぅ!!
弾着、今!!》
遠くの方で榴弾の炸裂音がズンッと響き渡り、直後に何か重いものが地面に斃れる音が続く。俺達以外の前衛部隊も戦況は順調に推移しているらしく、無線からはなおも断続的に敵艦の撃沈や損害報告が流れてきている。
《CPより前線各位、敵前段艦隊の損耗率60%を突破。
また、敵爆撃編隊は未だ増強を継続もポーランド空軍の迎撃により打撃を受け続け前進には至っていない。市外から艦隊の増援が到着した様子も確認できず。
我々が優勢だ、オーバー》
勤めて平静を装いながらも、言葉の節々に驚愕と喜悦が浮かび上がったオペレーターの経過報告が耳に入った。まぁあの絶望的な状況から市街地中央まで戦線を押し返し、おまけに艦娘戦力はなおもほぼ完全な状態で健在と来ている。
確かに、俯瞰してみるとなかなか信じがたい巻き返しぶりだ。ポーランドからの増援といういい意味での計算外が発生したことも含めて、オペレーターの興奮は無理のないことかも知れない。
('A`)「………ツー」
だが、俺はまだオペレーターの歓喜に同調するつもりはない。
(*゚∀゚)「あん?」
('A`)「後退の用意しとけ。ティーマス達にもハンドサインで伝えろ」
作戦が終わっていないからと言うこともあるが、何よりも絶対に忘れるべきではないことが一つ。
“此方にとっての優勢は、敵にとっての苦境”だ。
(*;゚∀゚)「え、なんで?」
('A`)「いいからすぐに準備だ。合図があったら走れ」
《Graf Zeppelinより前線、レーダーに感あり!!》
向こうが、このまま無策で前段艦隊の壊滅を待つはずが無い。
《機影100余、ポーランド空軍と交戦中の主力部隊とは別に低空域で突入!
マントイフェル少尉、全機が貴方のところに向かっている!注意しろ!!》
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