212: ◆vVnRDWXUNzh3[saga sage]
2017/05/20(土) 11:22:59.91 ID:otGQSIH90
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(;゚∀゚)「───、ですが」
(=゚ω゚)ノ「ジョルジュ=オッペル陸軍少尉、お前はいつから国際政治の評論家になった?」
イヨウ中佐は突然顔を上げ、尋ねる。
独特の語尾もなく、少しドスの利いた、はっきりとした口調での「詰問」。さっき首相を説得していたときよりも更に険しい目つきで、加えて言えば頬も僅かに紅潮させて中佐はジョルジュを睨み付けていた。
俺はこの数時間で初めて、明確に「怒り」を露わにした中佐を目にした。
(=#゚ω゚)ノ「少尉、貴様の政治思想なんてどうだっていい。貴様がどこまでわめき散らしても、祖国に訪れる危機もロシア政府の決定も覆らない。
変わらない現実を嘆くのではなく、祖国と国民を守るために全ての力を注げ!それが貴様に、今課せられた仕事だ!!」
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( ゚∀゚)「…………」
一瞬の沈黙の後、ジョルジュはさっと背筋を伸ばして中佐に向かって敬礼した。
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( ゚∀゚)「Jawohl!!」
ジョルジュに限らず、中佐の檄に誰もが目の色を変えて地図に向き合い、各自が必死に頭を回転させる。
(;'A`)「………!」
本当はこの会議をしている時間さえ惜しいが、状況を見極めず闇雲に動いても事態は間違いなく悪化に繋がるだろう。逸る気持ちを抑えて、俺もまた身を乗り出してどこかに活路はないかと隅から隅まで地図を凝視する。
決定されたのは、あくまでも“36時間後の”核兵器の投射だ。サイ大尉が言うとおり繰り上げの可能性も否めない以上安心するわけにもいかないが、逆に言えば流石にロシアも国際的な批判を“完全無視”と決め込めるほど戦力に余裕はない。
特に、アメリカと日本がロシアの核兵器使用に沈黙しているとは思えない。
アイオワが実装されるまでは艦娘抜きで深海棲艦の攻撃をほぼ完全に退けてきた超大国と、二万隻越えとも言われる艦娘戦力を保有する【東洋の盾】との関係が決裂すれば、現段階では駆逐艦ヴェールヌイしか所持していないロシアは国防計画に致命的な傷を負うことになる。
加えて言えば肝心のヴェールヌイさえ、日本の駆逐艦響が改造されたものを一部転用して貰っている身の上だ。日本との関係が断絶すれば、今後ロシアは艦娘の補充も整備も遙かに劣る自国の技術で行わなければならない。
つまり、ロシアは核兵器を“即座に”使うことはあり得ない。アメリカへの非公式通知が大尉達が突入する前に布告されたものとなれば、まだ2時間も経過していない。国際社会に“我慢”としてアピールするには、流石に間がなさ過ぎる。
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