186: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/18(木) 01:09:52.92 ID:qcFlP+vx0
(’e’)(逆にノルデン、フランス、ベルリンさえ立て直せれば、南部のドイツ軍・イタリア軍と併せて四方からルール地方を逆包囲できる。
大方艤装工場を潰しつつ拠点にすることで内陸浸透を狙ったんだろうが、これなら………)
気がついたら、セントの視線は再び「染み」の写真に戻っていた。
「…………しかし、ルールの“これ”は本当になんなんだろうな、いったい」
「まぁ順当に行けば深海棲艦の前線基地だろうさ。さもなきゃ“巣”か」
部下達も写真を見ながら口々に意見を言い合っているが、最早それらはセントの耳に入らない。
(゜e゜;)
セントの脳内で、猛然と形作られていく仮説があった。
そうだ。何故基地と決めつけていた?奴らの知能は決して低くない。内陸浸透をしても、海中からの戦力補充を続けなければいつか物量で浸透軍は押しつぶされる。そして日本や自分たち米軍の存在がある以上、沿岸部から続く兵站線の維持などどう考えても不可能だ。
だが、仮定する。
もし深海棲艦による今回のヨーロッパ襲撃が、「ルール地方の制圧」こそが本命であり他の全てが欧州全体の動きを封じるための陽動だとしたら?
もし、生産拠点の「破壊」ではなく「確保」が目的だとしたら?
もし、深海棲艦が自然増殖やオカルト的な発生ではなく、“艦娘と類似した過程で生産される”存在だとしたら?
もし、今までの深海棲艦が「海底での製造」という、様々な制約が課せられる状況下であの物量を生み出していたとしたら?
もし、深海棲艦と艦娘の製造工程が似通っていて────その上で、奴らの方が精錬された技術力を擁していたとしたら?
(゜e゜;)「………工場だ」
「………は?」
(゜e゜;)「合衆国政府に、ノーフォークに至急連絡を取れ!!こんな兵力では到底足りない、ヨーロッパとアメリカの全兵力を動員して至急ルール地方を封鎖しないと間に合わん!!」
「ち、中将?何を……」
「よ、揚陸攻撃地点各所より緊急連絡!!」
「内陸部より膨大な数のヒト型、非ヒト型深海棲艦、並びに艦載機が襲来!!戦線維持が困難、救援を請うとのことです!!」
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