45: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/05/08(月) 00:35:41.08 ID:6an8YmUi0
ただ、手本を見せる方法は、ちょっとばかり普通とは違うやり方だった。
私とガヴリールは、前回と同じく向かい合ってテーブルについていた。
「なぁ、この編み方、やっぱりよくわかんないよ」
「どれ? やってみるから見てなさい」
「いや、正面でやられても、左右反転してるからわかりにくい」
「そんなこと言われても、私も右利きだし」
「ちょっとそこで座ったまま足開いて」
「え、こう?」
ガヴリールは編み針を持ったまま歩いてきて、私の足の間に座り、二人羽織のような格好になった。
「これなら見たままを参考にできる」
「あんたの頭が邪魔でよく見えないんだけど」
「がんばってくれ、ほら、肩貸すから」
「しょうがないわねぇ」
私はガヴリールの肩にあごを載せながら、増やし目の編み方を教えた。
顔にかかるガヴリールの髪が、少しくすぐったかった。
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