19: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/05/08(月) 00:21:48.66 ID:6an8YmUi0
ガヴリールは定期的にゲーム雑誌の立ち読みのために本屋に寄り道をする。
本屋の静けさが苦手な私は、一人で入らなくて済むため、よく彼女について行っていた。
本を読むことは嫌いではない。
知らないことを教えてくれるし、何度聞き返しても怒ったりしない。
写真を目当てに雑誌をぱらぱらとめくるのも好きだ。
その日、ガヴリールはいつもの雑誌ではなく、手芸コーナーへと向かった。
背表紙を上から順に目で追う彼女の横で、家庭科で何か課題でも出ていたのだろうか、
と思い出していると、彼女は唐突に話を切り出してきた。
「そういえば、そろそろバレンタインだよな」
そうね、ヴィネットも張り切りそう――なんて言いそうになるのをこらえる。
あぶないあぶない、うっかり口を滑らせるところだった。
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