183: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/05/08(月) 01:54:11.38 ID:6an8YmUi0
急いで衣服を回収し、彼女に届ける。
「いやぁ、助かったよ」
「それで、何の用? 今更私を責めても、毛糸は出てこないわよ」
「はぁ? なんでお前を責めないといけないんだよ。面倒くさい」
「だってそれは……あんたの編みぐるみ、焦がしちゃったし」
「あれは事故でしょ。大体、お前が助けてくれなかったら私がケガしてたかもしれないし、むしろ感謝してるよ」
「それは、そうかもしれないけど」
ガヴリールは、ゲームの最中に悪態をつくことはあっても、他人に怒るということを滅多にしない。
それは、成長を認めないという彼女の信念によるものなのかもしれないし、
そうすることが自分の得にはならないとわかっているからかもしれない。
いつもなら彼女に意地悪なことを言われると癇に障るが、
今ばかりは遠慮なしに責めてほしかった。
彼女にとって私は、そうする価値もないということなのだろうか。
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