149: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/05/08(月) 01:36:16.89 ID:6an8YmUi0
「……言いたいことはそれだけ?」
私が努めて平静にそう言ってラフィエルを見つめると、彼女はビクッと体を震わせ、一瞬だけ目を泳がせた。
何かを言い淀むそぶりを見せた後、彼女はふっと表情をやわらげ、軽く頭を下げた。
「すみません、言いすぎました」
「なによ、急にそんなにしおらしくなられたら、調子が狂うわ。
一応自覚はしてる。でも、なかなか思うようにはならないものなのよ」
「ですが、心配なんです。サターニャさんがいつか、ぽっきりと折れてしまうようなことが起こるんじゃないかって。
自らに火を放ってしまうんじゃないかって」
自分を燃やすなんて、そんな恐ろしいこと、きっと私にはできない。
臆病者はきっと、その臆病さゆえに被害者として自らを正当化するため、加害者を仕立て上げる。
自らを調理したがる鶏なんていない。
その甲高い鳴き声は飼い主を糾弾するためにあるのだ。
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