サターニャ「サタニキア百科事典」
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107: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/05/08(月) 01:12:18.82 ID:6an8YmUi0




ヴィネットを見ると、彼女は編んでいるときにいつもするように、微笑する直前の、

血の通った無表情とでもいうような顔をしていた。

ヴィネットは大口を開けて笑うことはしないが、話しているときは結構表情が豊かだ。

特に、ガヴリールと一緒にいるときは、眉を吊り上げて怒ったり、

花が咲くようにぱっと笑ってみせたり、ころころと変わる。

だから、作業に没頭する彼女を見ていると、例えるなら図書館の閉架の暗がりに潜む妙な色気というか、

あるいは平日の正午に通学路を通ったときの奇妙な非現実感に対する高揚というか、

そういうのに近いものを感じて、なんとなくどきどきしてしまうのだ。

それは、背徳感だけではなく、彼女自身の魅力だとも思える。





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