【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」
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2: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/01(月) 21:22:35.29 ID:z+wGLY660
少年の目のまえに立ち、少女が言う。
「わたしね、大きくなったらアイドルになるの! 世界でいちばんのアイドル!」
少女は一点の曇りもない笑顔だった。――笑顔であるはずだと、少年は思った。少年からはどういうわけか、その少女の顔がぼやけて見えない。
「それでね、あなたはわたしの、プロデューサーになるんだよ!」
「プロデューサーって、なに?」
少年は尋ねる。問われたほうの少女はきょとんと目を丸くして、それから怒ったようにぷくっと頬を膨らませた。
「そんなの、決まってるでしょ! わたしをプロデュースするひと!」
少年は困惑する。
「プロデュース、って……なにするの?」
「えっ?」今度は少女のほうが、困ったような顔をした。「……わかんない……でも、プロデュース、してくれる?」
「ええと……うん、わかった、プロデュース、する」
少年はよくわからないまま頷いた。それで少女が喜んでくれるなら、それでいいと思った。
少年の答えに、少女はぱっと笑顔を咲かせた。
「やくそくだよ! よろしくね、プロデューサー!」
「うん、よろしく!」
少年はそう答えた。答えながら、少年はずっと、その少女の顔を思い出そうとしていた。
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