16:名無しNIPPER
2017/04/29(土) 21:43:20.21 ID:+8q3l8rTO
鈴「いやいや、我に取っては男がご主人なんじゃからそう気負う事はない、今迄通り鈴と呼んではくれんかえ?」
男「わ、分かりま......」
鈴「敬語も必要ないぞ?」
男「......分かったよ、鈴さん」
鈴「さんも要らぬが......まぁ悪い気はせんのう、それでええ」
男「所でさ、何でそんな姿なの?」
鈴「......姿? ああ、人間のということか」
鈴「我はのう少しばかり物の怪の血を引いておっての、人の姿になれるんじゃ寿命も他の猫より長い」
男「物の怪って......」
鈴「昔は沢山居たんじゃ、今は殆ど見かけないがの」
男「そ、そうなのか......」
鈴「本当は猫のままお主と暮らそうと思ったんじゃ、人になった所で気持ち悪がられてまた捨てられるのが関の山じゃと」
鈴「この五十年、只々シンドくてのぅ何度裏切られたか......」
言葉を紡ぐ彼女の目は次第に伏せ気味になり暗い表情を落とす
そんな表情に男は何時もの癖なのか
自然と彼女の頭に手を乗せ優しく撫でていた
男「.........鈴さん大変だったんだな」
鈴「主......ふふ、やっぱり主じゃのう」
男「え、ああ悪い何時もの癖で」
慌てて手を引っ込めようとした男だが、鈴がその手を握り首を左右に振る
鈴「もっと撫でてくれんか? 主の手は暖かい......」
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