ヨウ「リーリエ・・・!?」アニポケリーリエ「・・・どなた様でしょうか?」
1- 20
241:やまおとこのダイチ ◆hpfVx8RTHY
2017/04/28(金) 00:58:22.65 ID:2rq1lS+J0
―――――サトシ達の世界

論理的結論として、原因不明の記憶喪失事件は多くの謎を残したまま終息した。

真相については、強力なエスパーポケモン、未来人や宇宙人、異世界人の仕業等の推理が闘わされたが、
解明に繋がる手がかりは無く、残念ながらどの説も推測に終わり、もうそれ以上の発展を見せなかった。

一週間を持たずして、この怪事件の話題はククイ学級の中で貴重な体験談か笑い話になってしまっていた。
アローラのおおらかな風土に引きずられるように、わたくし達はこの事件を引きずらなかった。
あっけなく、元の日常が戻ってきた。あるいは戻ってきてしまった、ともいえる。

記憶を無くした期間についてわたくし個人には、物申したいことが一つだけある。
この事件で被った実害は、確かに何も無い。(記憶を失ったこと自体が実害と考えなければだけど。)

むしろその逆だ。 記憶のない間に、欲しかったものが手に入っていた。
限定非売品のとてもかわいい“ピッピにんぎょう”。
この子がわたくしの部屋のぬいぐるみコレクションの中に、
何かの冗談みたいな我が物顔で仲間入りしていたのだ。
これは予期せぬ幸運だ。実際とても嬉しい。 でも、釈然としない。素直に受け入れがたい。

それはきっと、これを手に入れた時、わたくしは途轍もない幸福を感じたに違いないはずだからだ。
だから、その時の記憶を失ってしまったことが、何だか、非常に申し訳なく思ってしまう。
しかし…、それは一体、何に対して、なんだろう…? その正体がはっきり見えないのが、もどかしいのだ。
ぬいぐるみに? 記憶の失う前のわたくしに? あるいは他の、なにか…?

ごめんね。でも、わたくしはあなたのこと、大好きよ。それは絶対に絶対だから。
その“ピッピにんぎょう”をぎゅうと抱きしめながら想う。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
310Res/258.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice