ヨウ「リーリエ・・・!?」アニポケリーリエ「・・・どなた様でしょうか?」
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239:やまおとこのダイチ ◆hpfVx8RTHY
2017/04/28(金) 00:56:23.27 ID:2rq1lS+J0
―――――ヨウの世界

元の世界に戻った僕を、一番初めに出迎えてくれたのは他のどの人でもなく、それは僕のポケモン達だった。
押し倒され、のしかかられ、ぐしぐしと頭をこすりつけられ、顔を舐められ、甘噛みされる。
僕は何の誇張もなく身動きが取れなくなった。

僕が何を言っても僕のポケモン達は、僕を離してはくれなかった。みんな、震えていた。
僕がいなくなってしまった時の恐怖と、今こうしてまた会えた喜びを、全身で訴えていた。

どうしようもないあせりにも似た申し訳なさと苦しさで胸が張り裂けそうになった。
自分の身がどんな目にあってもここまで途方もない気持ちにはならないに違いない。
ごめんね。ほんとうにごめんね。もう勝手にどこにも行ったりしないから。いつも一緒だから。

捜索に参加していた本当に多くの人たちに対して僕は謝った。
あっけらかんと「おかえりー」と言うハウやアセロラ、マツリカさん。
ポケモンに引っ付かれ動けない僕の様子を見て笑うハラさんやハプウさん、バーネット博士。
逆に励ましてくれているんじゃないかと思える程、穏やかに僕をたしなめるイリマさんやマーレインさん。
叱りつけるつもりだったのに感極まってしまい泣き出すライチさん、その彼女を困り顔で慰めるカリヒさん。
自身の活躍を語るザオボーさん、リュウキさん。それを見て苦笑するビッケさん、呆れるプルメリさん。

みんなの態度は様々だったが、誰もが僕を責める以上に、無事を喜んでいた。
みんなが安堵の表情を浮かべるたびに、僕はみんなにどれだけの心配を掛けたのかを痛感して辛くなった。

例外的に「ザマァねぇなああ!」と、はやし立てるグズマに、むしろ僕は救われる思いだったのだが、
その時の僕が余程、情けない顔をしていたのか、やがて彼はバツが悪そうに黙ってしまった。

「きっとよ、あんちゃんには、赦されてしまう方が良い薬になるって、みんな、わかってんのかもな…。」
不意に傍に立っていたクチナシさんが僕の心の中を見透かしたようにニヤッと笑んでいた。




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