モバP「鼓動が聴きたいなあ」飛鳥「やれやれ」
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33:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/11(木) 23:31:32.53 ID:Zz8EaTgs0
飛鳥「――さて、今日はどうする?」

ありす「今日はって、Pさんのところへですか?」

飛鳥「あぁ。Pの不眠症は対症療法が見つかっただけだからね、ボク達がいなきゃまた眠れぬ夜を過ごすだろう」

ありす「その可能性は高そうではありますけど、だからといって毎晩お邪魔するのも気が引けますね……。それに私と飛鳥さんの都合だけで片付く話でもありませんし」

文香「……。プロデューサーさんのお宅に訪問する件ですが、すみません。今日はちょっと……」

文香(昨日の事を思い出してしまって……合わせる顔が……)

飛鳥「おや、何か用事でもあるのかい?」

ありす「飛鳥さん、文香さんの負担も考えてください。だいたい私達の保護者といっても、文香さんだってまだ未成年の女性なんですよ?」

文香「……ふふ。お気遣いありがとうございます、ありすちゃん」

ありす「これぐらい、普通です。文香さんを巻き込んだのは私達なんですから、Pさんのことは気になりますが……文香さんは文香さんの事情を優先してくださいね」

飛鳥「それについてはボクも同意見だ。ボクだって弁えているさ」

ありす「残念でしたね、飛鳥さん」

飛鳥「……どういう意味かな、ありす?」

ありす「だって、ずっとPさんの部屋に行きたがってるじゃないですか?」

飛鳥「なっ……! べ、別に一度訪れさえすればもうPの部屋なんて興味ないね。後はただの作業感だ、寝不足の頭で車を運転されでもしたら乗りたいとは思わないだろう?」

ありす「……私もあまり人のことは言えませんが、飛鳥さんも素直な方ではないですよね」

飛鳥「ありす……ボクを理解した気になっているなら、それは些か早計だぞ?」

ありす「なら、今日こそ飛鳥さんについていろいろ教えてくれますか?」

飛鳥「む……ボクは自分のことを懇切丁寧に説明してやるほど、優しい人間じゃあないんでね」

ありす「ではどうしたらいいんですか? 言葉にしてくれなきゃ分からないことだってありますよ」

文香(言葉にしなきゃ……分からない……?)

飛鳥「そうだな、まずはその見解の相違についてを話し合おうじゃないか。言葉を交わし、互いに響かせれば、少しは本質に近付けるかもしれないよ」

文香(……私も、まだPさんに触れられるのを嫌がったと思われたまま……)

ありす「望むところ――ですが、そろそろ休憩終わりですね。レッスンが終わってからでもいいですか?」

飛鳥「やれやれ、仕方ないな。ボクはボクで橘ありすという人間を観察させてもらうが、構わないかい?」

ありす「むしろそう来てもらわなくては困ります。決まり、ですね」

文香(……ありすちゃんと飛鳥さんのように、Pさんと話し合えたら私も……あの高揚感の正体を掴めるかしら……?)


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