88:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 12:55:11.96 ID:WOJJWRsc0
「おー。お帰り〜。よく頑張ったな、メタルゲラス」
グルルルと満足げに喉を鳴らしながら、ガイの隣にあのサイのような
契約獣が戻ってきた。
「おっ、なんだ蟹野郎の爪をもぎ取ってきたのか。え?俺にくれるの」
ぽいっ。
無造作に投げ捨てられた、見覚えのあるその黄金のハサミは自分の
契約獣であるボルキャンサーの左腕部だった。
主のご機嫌を伺うように、膝を折り曲げちょこんと隣に座った
メタルゲラスを愛おしそうに撫でたガイは...
「悪いけどいらないな。でも...」
ボロボロになったシザースから離れたガイは、見せつけるように
カードデッキからカードを引き抜いた。
「strike vent!」
外からは見えないが、既に頭蓋骨が陥没しているシザースのマスクの
中には溢れた脳がピンク色の鮮やかな中身をはみ出させていた。
「はい。これでおしまい」
メタルゲラスの頭部を模した手甲を呼び出し、ピクリとも動かない
シザースの腹部のカードデッキに突き刺す。
パリィィン!
風鈴が砕けるような儚い音を立てたシザースのカードデッキは、粉々に
砕け散り、それに伴うようにその装甲も音を立てて消えていった。
485Res/614.50 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20