61:名無しNIPPER
2017/04/24(月) 12:37:33.35 ID:WOJJWRsc0
第五話 危険な賭け
警察署内
「えっ?昨日別れた後にモンスターと闘った?」
「そうなんですよ...バイト先のコンビニで運悪く出会っちゃって」
ミラーモンスターを倒した次の日、満は事情聴取という名目で昨日
自分に起きた出来事を須藤に伝えていた。
須藤も聴取をそこそこにして、満の話に耳を傾けていた。
「そちらに中学生くらいの女の子の捜索願、出されてますか?」
「...一件ありました。でも、もう...」
「...すいません。俺がミラーワールドに行ったときには、ダメでした」
重苦しい空気が取調室に満ちる。
一体、あの女の子が何をしたというのだろう。
人を殺したわけでもない、誰かを苦しめたわけでもない。
どこにでもいる平凡で普通の楽しい生活を享受していただけじゃないか。
「分かりました。今日はもう帰って貰って結構です」
「はい」
警察は、あの事件を未解決事件として処理することに決定したそうです。
去り際に須藤の呟いた言葉は、何の慰めにもならなかったが、少なくとも
自分の稼ぎ先である工事現場のバイトにはもう顔は出せないだろう。
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