253:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:59:21.45 ID:xchiMuX50
「東條君。私の背中を君に預けます」
「だから、君の命を私に預けて欲しい」
「私が迷ったら、その時は君が私の為すべき事をしてください」
「先生...はい、はいっ!」
香川のその言葉に感極まった東條は歓喜の涙を流した。
憧れていた英雄と遂に肩を並べ、正義の為に戦う事が出来る。
誰かに求められる事なく、誰かに救われる事なく生きてきた青年の心が
奮い立つのにはそれだけで充分だった。
「仲村君」
「はい」
「もし私が倒れたら、東條君と佐野君のことをお願いします」
「北岡か浅倉が斃れた時、きっと神崎士郎は動くはずです」
「オーディンと黒い龍のライダーは単独では倒せません」
「三人で協力して、ミラーワールドを閉じてください」
「...それが、先生の遺志なら。俺が引き継ぎます」
もしかしたら、このやりとりが最後になるかも知れない。
(いや、最後になんかさせてたまるかよ!)
仲村創は頭に浮かんだ気弱な考えをバッサリと切り捨て、前を見据えた。
香川先生と東條と自分と、後は佐野の四人でこの悪夢のようなライダーの
戦いを戦い抜き、平穏な日々を取り戻すのだ。
(皆。待ってろ...必ず仇を取ってやるからな)
復讐の時が遂に来た。
神崎がどんな卑怯な手を使ったとしても、俺達は絶対に敗北しない。
「香川先生。東條」
「どうか、どうか勝って戻ってきてください」
「お願いします」
自分と香川の手を固く握った仲村の懇願に東條は驚きを隠せなかった。
いつも意見が食い違い、ケンカが絶えない間柄だったが、それでも
どこか心の中では仲間意識があった。
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