238:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:49:29.93 ID:xchiMuX50
潮時だ。そう、蓮は思った。
ライダーバトルが激化すれば、遅かれ早かれ手塚や真司と衝突するのは
目に見えている。新しい契約モンスターにもよるが、少なくともあの二人の
手の内を知っている以上は苦戦する事はないだろう。
そもそも自分と違って、叶えたい願いの為に戦いに身を投じたライダー
ではなく、戦いを止める事を掲げてライダーの力を行使する真司や手塚と
相容れないのは当然の帰結だった。
(新しい契約モンスターを手に入れてからでも、遅くはない...か)
「城戸、手塚。頼みがある」
「今の俺は契約モンスターがいないブランク体のままだ」
「だから、新しい契約モンスターを探すのを手伝って欲しい」
「この通りだ」
どのみち、戦力としては申し分ないほどの実力を持つ二人が無条件で
自分のライダーバトルへの再起に手を貸してくれるという申し出を断る
理由はない。
そう、無理矢理自分の中で結論づけた蓮は背中を向けていた真司と
手塚に向き直り、ぎこちなく頭を下げた。
「そっかそっか。分かった。手伝うよ」
「そうだな。俺達に任せろ、蓮」
本心を見せない自分の言葉を本気で信じる仲間の視線にいたたまれなく
なった蓮は、そのまま言葉を二人と交す事なく重い足を引きずりながら
自室への階段を登り始めたのだった。
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