122:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 13:15:09.22 ID:WOJJWRsc0
第九話 最後のライダー
深夜 ミラーワールド
神崎士郎は、誰も居ないミラーワールドの中で一人佇んでいた。
「...」
瞳を閉じ、磔にされた一人の男の足下に跪き懸命に何かを祈っていた。
その祈りの内容を知るものは誰も居ない。何故ならここは向こう側の
世界、ミラーワールドだからだ。
ぎぃいいいいいい...
だが、その静寂を破るものが現れた。
神崎士郎とその妹以外に人間は存在し得ないミラーワールドに、唯一
その存在を認められた、もう一人の契約者<ライダー>は、薄汚れた
ステンドグラスから差し込む月光の下に佇む士郎の横へと歩を進める。
「来たか」
「ああ」
顔を合わせることなく二人の男は、そのまま沈黙を貫いた。
「時が来た。お前のデッキだ」
「そうか。真司はまだ生き残っていたか...」
コートのポケットから神崎士郎は一つのカードデッキを取り出した。
龍騎と呼ばれるライダーのカードに酷似したそのデッキは、全てが
黒く塗り潰されていた。
そして、そのデッキを持つ存在も龍騎のデッキの持ち主と驚くほどに、
全てが似通っていた。
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