66: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/24(月) 06:56:56.48 ID:Def+eai0O
「いつも大体6人でつるんでいてね、色々な事をやったよ。
車借りてキャンプにも行ったし、冬は年甲斐もなく雪合戦をしたなぁ。」
「今はその方達とは遊んだりしないんですか?」
「……ああ。皆死んだか軍を辞めたかしたからね。」
「…………え?あ…ごめんなさい!」
「気にしないでいいよ、初めて話す事さ。
卒業してからは、それぞれ違う所に配属されてね。最初の戦闘で3人死んで、残り2人はその後軍を辞めたんだ。今はどこにいるのかも分からない。
最後に集まったのは、あの件の前だったよ。
気付いたら軍に残ったのは『俺』一人…それからいつの間にか少佐にまで上がってたけど、今でもあまり実感は無いね。」
司令官…今、『俺』って…。
彼が初めて青葉の前でその一人称を使った瞬間は、夕日が逆光になって、横顔を全て隠していました。
だから、いつもの微笑だったのかすら分からなくて…。
「……まあ、『僕』の思い出話はこんなのさ。湿っぽい話をしてしまったね。」
“あ…。”
司令官がこっちを向いてそう言った時には、もういつもの微笑と一人称に戻っていました。
外れかけたと思った仮面が元に戻る瞬間を、見てしまったんです。
その瞬間、とても遠くに行ってしまったような気がして…青葉は…。
「司令官…。」
思わず彼の手に、自分の手を重ねていました。
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20