青葉「けしの花びら、さえずるひばり。」
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345: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/26(金) 06:48:43.21 ID:BIem1TAHO
「フギ…ギッ……ギアあアああああアアあっっ!!!」

その時叔父さんが、機械の右腕を自分で引きちぎりました。
ちぎられた場所は肉まで達していて……そこから流れていたのは、真っ赤な血。

「ア……ウ……チクしョウ…イテぇナァ……。」

「…叔父さん!!」

「へへ……頭、ネえカらよ…俺は魂ダけシカ…モウ、残っテネエンだろ…。
今ナラ痛みで…ナントカ、頭の方、ヲ、押さエラレ、る……。

マリ……ヤルなら、今シカネエ、ぞ…。」

「叔父さん…一緒に帰ろ?何とか元に戻る方法探して…。」

「バカ言ってンジャねえ…!俺はモう死んだ身だ。
全部、覚えテンだ…俺が殺しタ、罪もネエ人達の事も、全部…。

ジャーナリストが、バケモンにナって…悪党トシて取材サレるなんざ…お笑いモん、だ…。

マリ…嫁は元気か?」

「……うん!おばさん、笑ってくれるようになったよ!」

「ナラ、良かッたヨ…アのカメラ、今はオ前の所か?」

「うん…今はね、私が使わせてもらってるよ。大事な写真、いっぱい撮れたんだ!」

「ヘヘ…人の笑顔、大事にしろよ。
平和な日々ガ…何よリの、すくープだ…ギッ!?
ハヤクしろ!!時間ガねえゾ!!」

「…………!!

…わかったよ。」


照準を合わせる手が、ガタガタと震えます。

走馬灯って、自分が死ぬ時じゃなくても見えるんですね。
この時私の脳裏で、叔父さんとの思い出が何度も巡っていました。

小さい頃遊んでもらった事や、初めて書いた新聞もどきを褒めてくれた事。
教えてもらったジャーナリストの基本、技術。

そして何より、心意気。

その全部を噛み締めた時、ふ、と震えが消えました。





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