288: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/12/18(月) 02:40:54.42 ID:wEtnk3+rO
「ガサ!待って!噂をすればお出ましだよ…この反応、姫クラスだよ。」
「マジで!?まずいね…ルート避けよっか。」
「うん、北に切れば上手く…嘘!?凄いスピードでこっちに来てる!!早く行こ!!」
一気に緊張感が押し寄せて来ました。
弱ってるとは言え、こっちは重巡二人…もし敵が少しでも攻撃可能なら、タダじゃ済みません。
でもまるで犬が追いかけるかのように、敵のルートは最短でこっちに近付いて。
こうなれば一か八か、敵が限界まで弱ってるのを祈って砲のロックを外しました。
どうか間違いであってほしい。
そう思いながらモノクル型のスコープを付けて、近づいて来る影を確認しました。
あれは…防空棲姫!?艤装は無いし、ぼろぼろだ…噂の個体で間違いない。
でも……あんな顔だったっけ?
いや、とにかく先手必勝…追いつかれる前にカタを付ける!
1.2.3!ちっ!かすっただけ!それでもえぐったはず…
…嘘!?太ももえぐったのにまだ来る!?
とうとう現れた防空棲姫は、肉眼で見ると凄惨な様を呈していました。
全身は傷だらけ、さっきえぐった脚からは骨が見えていて…何より目に付いたのは、破れた布から覗く、首に走った真一文字の縫い跡。
そして目が合った瞬間、青葉は得体の知れない感覚に呑まれて。
一瞬、動く事が出来なくなってしまいました。
……なんで、あいつは泣いてるの?
両手を広げて近づいて来るその姿は、余りにも切実な何かを感じさせました。
ここで死ぬんだ、そう思った時。
私ではなく、ガサの方へと向かったのです。
「ガサ!!逃げて!!!」
だめ!間に合わない!!
それでも必死に手を伸ばした、その直後の事。
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20