236: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/11/09(木) 18:18:08.00 ID:OW6pln5X0
数年前の日付、元帥の日記より抜粋。
『鹵獲した人型深海棲艦の、生体解剖の結果が出た。結果は予測通りだ。
艤装は込められた艦の魂が適合者、つまり操縦者と言う依代を得て初めてその力を発揮できる。
艤装を操る者がいなければ、ただの魂を持つ鉄塊でしかない。
敵の正体は、ある意味それに近い。
怨念が敵と言う生命としての形を得るには、やはり依代となるものがあったのだ。
生体部の鑑定の結果、様々な生物のDNAが検出された。
その中にはヒトのDNA、並びに特に骨格からヒトの骨と合致するものが含まれていた。
怨念が海中に沈んだ様々なものを混ぜ合わせ、生物としての実体を伴っているようだ。
頭蓋骨を薄く覆う形で、膜のように別の骨が生成されており、敵の顔が各種別で同じな点はここから来ているのであろう。
もしかしたら、この骨が無い敵もいるのかもしれない。出現初期のものには、顔が違うものもいた覚えがある。
ある研究員が膜を剥がした頭蓋骨に複顔を試みた所、驚異的な結果が出た。
やはり鹵獲時と違う顔に仕上がったと言う。
複顔されたものを各国で行方不明者リストに照合した所、身元が判明した。
20年前に犯罪に巻き込まれ、行方不明となっていた欧米の女性のものであると。』
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