179: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/05(火) 16:27:53.78 ID:XFQ5vfxS0
今の演習は、艦娘として仲間や司令官のメンツを守っただけなんです。
山城さんが彼を恨む理由は、あくまで私怨ですから。
例えばこの後誰もいない廊下で鉢合わせて、ビンタを一発……なんて事だって有り得る。それじゃ彼を守ったなんて言えない。
今日の二度目の戦闘は、この後。自由時間にこそあるんです。
別に裏に呼び出してボコボコにするとか、そんな事はしませんよ。
ただ少し…『自分と向き合ってもらう』だけ。
今日の第二次戦闘は、『彼の女である私』としての戦いですから。
シャワーと着替えを済ませたぐらいで、時間はいい頃合いになる。
あの人の性格なら…ほら、いました。突堤で一人黄昏てる。絶好のチャンスだ。
「山城さん、お疲れ様でした!」
「…何よ。今日の勝者様のお出まし?」
「いえいえ…青葉達が勝てたのは、運が良かっただけですよ。」
「そうね…私、いつもシメの運は弱いのよ。はあ、不幸だわ…あなた、なかなかやるわね。」
ペンは剣よりも強し、なんて言いますよね?
でも今のご時世、例えばネットの書き込み一つでも、人の心は潰されてしまう事だってある。
あくまでペンはものの喩え…文字そのものが剣より強い訳じゃない。
突き詰めればそれは……言葉は剣よりも強し、だと思うんですよ。
「山城さん…。」
「….何かしら?」
叔父さんの受け売りですけど…記者と言うのは、何も突っ込む事だけが仕事ではありません。
推測だけで記事を書くのはご法度ですが、裏を取る過程に於いては、推測も必要になる。
狙いはある程度定めないと、いつまでも裏付けには手が届きませんから。
そう…それこそ初めてこの子に会った時から、気付いてた事がある。
「………好きだったんじゃないですか?彼の事。」
時には一歩引いて、対象の本質を見抜く事。
それも記者の務めのひとつなんです。
それが、対象の地雷となる時もあるけれど。
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20