勇者「スライムですら倒すのに6ターンかかるおれって」
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31:名無しNIPPER[saga]
2017/04/08(土) 13:08:07.93 ID:e5qzaWrB0
〜町はずれ〜
勇者「ふぅ、兵士達の絡み酒にも困ったものですね」

侍「あ、ゆーしゃさんここにいたんですかー?」

勇者「えぇ、昼間の戦を思うと…。僕は結局勇者のくせにアタックは女侍さんに任せっぱなしでした。やはり僕は歴代のなかでも最弱です。」

侍「…そんなこと言わないでください。勇者さんが居なければ、私はあのとき漆黒騎士に斬られていました。」

勇者「僕が庇わなくても、女侍さんのスピードならあのくらいかわせたはずです。」

侍「いいえ、無理でした。以前話したようにあの技は不完全で、隙も多いんです」

勇者「どういうことでしょうか?」

侍「抜刀して刀を振り切ると、そこからある程度隙が生まれますよね?その隙を埋めるために一流の武士は抜刀から納刀までを一瞬で行うんです。居合い切りとは本来そういう技なんですが…、私は…。」

勇者「なぜ納刀をしないのですか?」

侍「しないのではなく、出来ないのです…。私の国は男女の分業意識が強く、女が戦場にたつことに忌避感が強いために私に剣術を教える者ほとんどはいませんでした。」

勇者「なるほど…。でもそれならなぜあのような動きが?あれは素人の動きではないでしょう」

侍「あぁ、いや、ほとんどとはいっても師匠のようなひとはいたんです。でも基礎しか教われず…。」

勇者「あとは見よう見まねで我武者羅にやっていた…と。」

侍「ええ、…そのお陰で抜刀は早いんですが、納刀はてんでダメダメで…、幻滅しましたよね。技どころか武士としても不完全な私のことなんて…。」

勇者「なぜ幻滅するんですか?例え不完全でも漆黒騎士を退けたのはあなたの一撃です。誰に恥じる必要があるのです。」

侍「!…。ありがとうございます。」

勇者「さ、辛気くさいはなしはやめにしましょう!宿屋まで送ります。そろそろ行きましょう」

侍「…はい!」


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