【ヤンデレCD】ヤンデレロンパ～希望のヤンデレと絶望の兄～2スレ目-SS速報VIP

【ヤンデレCD】ヤンデレロンパ～希望のヤンデレと絶望の兄～2スレ目

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682:♪亡き王女のためのパヴァーヌ ◆S7YK1FdmZg[saga]
2021/03/30(火) 22:03:51.94 ID:Y5IO5UdV0

　別館のゴンドラリフト乗り場の外側。吹雪の中でボクは佇んでいる。
　何をするでもなく、ただ曇天を見上げ、六花の流れに身を委ねていた。
　髪も、裾も、袖も、ただ風にたなびかせるだけ。
　この風と吹きすさぶ雪で、己の罪を洗い流せる気がして。

コウモト　アヤセ
「こんなところにいた。探したのよ？」

ノノハラ　レイ
「ボクを見つけるの、ホント上手いよね綾瀬。みんなとっととゴンドラリフトで本館に戻ると思ってたのに」

コウモト　アヤセ
「こういう時、澪が一人で黄昏ることくらいはお見通しだからね。一人きりになれるとしたら、別館かその近くしかない。そう思って探したの。
　……まだ引き摺ってる？」

ノノハラ　レイ
「否と言えば噓になるね。短い間だったけど、せっかくできた友達、だったんだけどな」

コウモト　アヤセ
「わたしは、誰も悪くなかったと思う。悪いのはモノクマよ、誰かに犠牲を強いるこんな合宿を思いついたあいつが全部悪いの」

ノノハラ　レイ
「そう思った方が精神衛生上一番いいのかもね。……いけないな、雪が目に入りそうだ。早く、戻ろう」

コウモト　アヤセ
「いまさらそんなこと言うの？　じゃ、ただでさえ寒いんだから早く帰りましょうよ。体だって冷えて――、澪、その顔……」

ノノハラ　レイ
「これは雪、――目に当たって融けた雪ってことに、してくれないかな」

コウモト　アヤセ
「……そう、ね。そういうことにするわ」

　そう、ボクには涙を流す資格なんてない。だからこの目から頬を伝う雫は、ただの雪の結晶の残滓なのだ。

ノノハラ　レイ
「せっかくだ、レクイエムにトロイメライでも弾いてよ。もう、誰も残ってないんでしょ？」

コウモト　アヤセ
「……そうね。こんな悲劇、子供の見た悪い夢よ。目が覚めたらきっといいことばかりだわ」

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