八幡「ゲームが完成しそうだからすぐこい?」 ルナ「ルナのゲームだよ」
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◆SqZQSXA.b2
[sage saga]
2017/04/06(木) 03:24:27.24 ID:pGHW4BJO0
断っておくが、俺が陽乃さんの提案を呑んだのは、あくまで自分の為である。
自分は、再びあの世界へ行きたいと思ってきた。
それは最近まで押し込めてきた感情的な願いだ。
理性的に考えるなら、いみじくも自分で言ったように、行く必要はない。
行けば、助けなかった己を許すということに繋がるのだろう。
あの子たちの顔を思い出すと、胸が押しつぶされるように痛んでゲームを放り出してきた。
家では怠惰であるともっぱら評判だったのが、それとなく娯楽から離れていき勉学に励む優等生になった。
『自分も何かをしなければ、彼女らに顔向けができない』というこれまででは考えられないような、愚鈍な思考に陥るのだ。
雪ノ下はそれを聞くと、人間なら誰しもそう思うのだと、優しく言った。
考えてみれば、彼女はずっと姉の後を追っていたのだから、よく分かるのかもしれない。
現在、彼女はそれをやめたらしいが。
一方、由比ヶ浜は、私もそういう経験があるのだと、せつなそうに言った。
右手には、空欄が目立つテスト用紙がはためく。
親に悲しまれるのが、なによりも悲しいのだと漏らす彼女は、テスト明けにもっとも勉強するらしい。
もはや、テストが馬の尻をたたく鞭になっている。
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